へいじゅうのよめ 平十の嫁

へいじゅうのよめ(平十の嫁)

武州の川越などにつたわるもの。むかし平十という男が川で魚を釣ってると、そこへきれいな女がどこからともなく現われて「へいじゅうさん、へいじゅうさん、嫁にしてくれ」と言って来て、そのままお嫁になったんだソウナ。

平十の嫁は次の日から木綿をよって糸にして、キキリコチャンバタリコチャンと1疋の布を織り上げると「へいじゅうさん、これを南錦白が300両、高いといったら200両と言って売って来てくだされ」と渡します。

平十がそのとおり売りに歩くと、お殿様が300両でその布を買い上げてくれます。しかしその後、雲からつる草がぶらさがって来て、平十の嫁はそれにつかまり「迎えが来たので家に帰ります」といっていなくなってしまいましたトカ。

和漢百魅缶│2013.03.15
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