おしずのへび お静蛇

おしずのへび(お静蛇)

越前の丸岡城につたわる片目の大蛇。

むかし、城を築くときに人柱を立てねばならないということになり、お静という夫を亡くした美女が「わたしの息子たちを士分にして下さるなら人柱に立ちます」と申し出て無事にお城が完成したのですが、けっきょく、息子たちのはなしは立ち消えになってしまったので、それに怒ったお静の霊が大蛇と化してしまったといいます。

☆ 莱莉垣桜文 附註
蛇が片目なのは、お静が眼疾のせいで隻眼だったため。また、お堀にいた「白いなまず」もお静の化身と言われてたそうで、明治のはじめ、これをつかまえて見世物に出したひとの眼がつぶれたりしたといいます。

和漢百魅缶│2013.03.11
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