しょけら

しょけら

庚申のかみさまに仕えているらしいもので、3尺くらいの背丈のふしぎなひと。お料理が得意です。

羽前に伝わっている話では、庚申講をしていたらそこへ旅の六部が「泊めてくだされ」と訪ねてきたので、みんなで親切にしてやったところ、この六部が「お礼にわたしの家に来てくだされ、ご馳走をします」と家に招きます。
さっそくお酒がふるまわれましたが、ひとりお酒のいけない男がソッと隙間から台所をのぞいてみたところ、このしょけらが直垂[ひたたれ]すがたでご馳走のお料理をつくってたのでビックリ。「しょんべんにいきます」と言って帰ってしまいました。そんな様子を知らないほかの面々は、そのあと六部が出してくれたご馳走を食べて帰ったのですが、しょけらの作ったご馳走を食べた人々はその後とても長生きをしたトサ。

☆ 莱莉垣桜文 附註
庚申の日に関する話に実際出て来る「しょうけら」で、庚申を信心していた人々が庚申の神の化身に招待されて、「ふふぎのけや」など寿命の延びる食べ物で饗応される話の一ッに出て来るもの。

和漢百魅缶│2012.03.16
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