いとざくらのせい 糸桜精

いとざくらのせい(糸桜精)

信州の飯田に生えていた糸桜の古木に宿っていたもの。雨のしょぼしょぼ降る日にはこの木の下にさびしく泣いている女の姿や、「お笠まいろうお笠まいろう」という声が聞こえてきたといいます。

☆ 莱莉垣桜文 附註
むかし近くの御殿に仕えていた女中のひとりが近習の侍に恋をしたが、相手にはいいなづけがあったためこの糸桜の木のしたで死に、その霊が木についたとも言われいたようです。

和漢百魅缶│2011.03.07
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