くじらじまのたぬき 鯨島の狸

くじらじまのたぬき(鯨島の狸)

陸前塩竈の鯨島に住んでたという古狸で、浄瑠璃が好きで『平家物語』などを語ったと言います。ただし一対一でないと浄瑠璃はしてくれなかったらしく、一度この狸に浄瑠璃を聴かせてもらった朴島の漁師が仲間を連れて聴きに来た日はすがたを現わさなかったんだトサ。

☆ 莱莉垣桜文 附註
狸の昔話には『平家物語』の場面や、釈迦の入滅などを見せてくれた、というものが往々としてありますが、実際のところはこんな風に語り物をしてくれた事に、おひれがついているのかも知れません。

和漢百魅缶│2011.01.12
Design. Koorintei Hyousen 2011