せんとうそう(仙桃草)

むかし汪徳隆という男が父親のために傷薬をもとめにいく途中、山道で迷ってしまい、偶然にみつけたオンボロ小屋にいた老人からさずけられた緑色でまるっこいふしぎな草の実。老人に教えられたとおり、中に入ってる虫を散薬にしてつかったところ、父親の傷は完治しましたとか。
さっそくお礼をしようと徳隆がお酒やお肉をたくさん買って、すぐに山のオンボロ小屋のあったあたりに行ってみると、そこには小屋も何もあった形跡はなく、ただの古墳があっただけでした。

☆ 莱莉垣桜文 附註
仙桃草は虫草という草の実に、ムシクサツボミタマフシという虫が卵をうみつけてつくるこぶのこと。実際にあることはありますが、普通にころがってる虫草がこんなに霊効あるかどうかは不明。

和漢百魅缶│2009.12.28
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